越前の漆器づくりを訪ねて(1)

以前、ブログでもご紹介したことのある「Nippon Brand Meister」の
産業観光型の特別講座に参加してきました。

訪れた場所は、越前漆器の産地として知られる福井県鯖江市。
眼鏡の産地として有名な鯖江市は、日本最古の漆器産地でもあります。

今回は丸物と呼ばれる、お椀の木地職人の方が
作業するところを、間近で見学させていただきました。

↓このような「荒挽き」された状態の材料を削っていきます。


それを専用のろくろにセットして、回転させながら削っていきます。
削る際に使われるカンナも独特なかたちをしており、「シャカ」と呼ばれているもので
職人は、このカンナも自分で作るそうです。


また、作業する足下には棒が2本あります。これはろくろの外側を削る時と
内側を削る時で、回転の方向を変えるためのものです。
これをペダルのように踏みながら、作業していきます。


今回は、スタンダードな汁椀の木地を作る過程を見せていただきましたが
お椀の先の一番薄いところで1.2mm、底の厚いところで4mmくらいまで削って、
木地の完成。これは最終的な漆の仕上げによって微調整をしていくそうです。

この他に以前つくられた、まるで紙のように薄い器も見せていただきました。
繊細で高度な技術にふれることができ、感激しました。


漆器は使い込むほどに色も変わり、(厳密に言うと)沈んでくるので
何十年も経つと、木地の良し悪しがはっきりと出るとのこと。

職人の方が、「たとえ他のひとが良いと言っても、自分だけはごまかせない」と
仰っていたのが印象的です。


少し気がかりなのが、ここでも後継者不足は深刻だそうで
日本のものづくり共通の問題なのですね。





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日本の良さ

タイトルは、そのものズバリ過ぎてちょっと躊躇しましたが
読んでみると率直に面白く、胸のすく思いでした。



日本を訪れた外国人から見た、日本の素晴らしさを
まとめた本で、60人・71冊・111のテキストによる資料が
元になっています。

初めて日本を訪れた外国人が感動して、様々なかたちで
文章に残したものが紹介されており、おおまかにご紹介すると

・礼儀・礼節を重んじる・治安の良さ・知的創造力の充実
・職人の高い技術・勤勉で聡明・自然の美しさ
・優雅で愉しみに満ちたライフスタイル

などが描かれています。


紹介された外国人のほとんどが、欧米から来ていて、元々の目的は
日本に何かを教えに来たつもりが、逆に日本から多くを学んだと
言っています。とりわけ有名なのは、天才画家ゴッホが、
生涯、日本人に生まれ変わることを夢見ていたほど、日本の虜になったそうです。

どのページを開いても、同じ日本人として気恥ずかしくなるくらいの文が
並んでおりますが(語録なので当たり前ですね)
特に印象に残っている文を2つ。

インドのノーベル文学者ラビンドラナ・タゴールが書いた1文
「日本人は美の王国を手に入れた。彼らは、どこにあっても、
目にはいるものはなにひとつおろそかにしないし無視することもない」

そして前述のゴッホに至っては「いいかね、彼らみずからが花のように
自然のなかに生きていく・・・(略)」と表現しています。

日本人の生きる様子を、花のように、と捉えるとはその感受性に
驚きますが、素朴な暮らしのなかにも美しいものに対する意識の
高い日本の姿は、誇れるものではないでしょうか。

時代も移り変わり、現代でも当時と同じような暮らしはもちろんできません。
スローライフは良い、と安易に表面的なものを取り入れるのではなく
世界に誇れる精神性や美意識の高さなど、改めて見直したくなる。
そんな気にさせてくれる本でした。









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落語「浜野矩随」

正月の特番としてNHKで放映されていた
「日本の話芸20周年スペシャル 〜至芸名演の軌跡」の録画を観ました。


大好きな、5代目小さんと10代目文治の演じる姿が観られて嬉しかったのですが、
今回、特に印象に残ったのは5代目円楽による「浜野矩随 - はまののりゆき」でした。

いわゆる人情噺で、江戸時代の腰元彫りの名人を描いた演目です。
腰元彫りとは、刀剣の装飾品や付属品等を、鉄・真鍮・銅を加工して
製作をするひとを言いますが、非常に緻密で高い技術が要求されます。


こちらの作品は↓刀の鐔(つば)のすぐ下に取り付けるために製作されたもので
実際の大きさとしては、長辺で3cmほどしかありません。
虫眼鏡で見ないとわからないくらいの、細かい絵が施されています。



噺は、亡くなった先代の父(矩康-のりやす)の跡を継ぐ矩随が
立派な名人になっていく出世話で、ものづくりに命をかける姿を描いています。

クライマックスでは、円楽が涙を流しながらの熱演。
饒舌とは言えない語り口が、かえって心に響きます。

円楽さんについては、テレビ番組「笑点」の司会としてしか知らない方も
多いと思いますが、噺家としても素晴らしかったと改めて実感しました。


この噺を聞いて、坂口安吾の短編「夜長姫と耳男」を思い出しました。
若い飛騨の匠が、3年をかけて弥勒菩薩を彫る話なのですが
鬼気迫る匠の姿を淡々と描いた作品で、安吾の数ある作品で最も好きなものです。

ものづくりで、名人と呼ばれるほどになるには
何かに憑かれたかのごとく、普通の人から見たら
ある種の狂気に近いものさえ感じるのかもしれません。




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新年あけましておめでとうございます。


みなさま、新年あけましておめでとうございます。

お正月の3が日も過ぎ、徐々に仕事モードになりつつありますね。

私は、毎年恒例の家族で集まり、新年の挨拶をしに行って来ました。
新年最初に袖を通したのは、ウールのアンサンブルです。



昨年は、東北の大震災で家内の実家も被災し、大変な年でした。

それを思うと、元旦からこうして着物を着て、家族揃ってお屠蘇を
いただけるのは有り難い、と実感します。

今年は、今まで以上に着物に親しんでいけたら、と思っております。

どうぞ、本年もよろしくお願い申し上げます。



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「和の美をはぐくむ会」

少し前になりますが、去る11月27日(日曜日)に
知人の誘いで、「木村孝先生と和の美をはぐくむ会」に夫婦で行って来ました。

染織研究家であり、91歳(!)の現在も、精力的にご活躍されていらっしゃる
木村孝先生に、間近で初めてお会いしましたが、年齢を感じさせない凛としたお姿で、
優しい愛情にあふれたオーラで包まれていました。

会場の学士会館には、200名余りの着物関係者が一同に集まり、圧巻の光景。
男性も殆どの方が、和服を着ていましたが、そのような集まりは
かなり珍しいそうです。


着物を着て出かけるようになってから、初めて夫婦で参加した
イベントでしたが、そこでこのような写真を撮っていただき感激しました。

以前、家内の誕生日に、木村孝先生の書かれた本を
プレゼントしたこともあり、なんだか感慨深かったです。

帰り際には、先生の書かれた本をお土産にいただきました。
もちろん、我が家には2冊あります。(ラッキーか?)

今回は初めての参加で、勝手がよくわからなく、とまどいもありましたが
とても濃密な時間を過ごすことが出来ました。

来年も(できれば夫婦で)行きたい、と思っています。




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歌舞伎を観てきました。

歌舞伎を観に行って参りました。

国立劇場の、会場45周年企画の「歌舞伎を彩る作者たち」の第一弾。
江戸後期のベストセラー作家で『南総里見八犬伝』で知られる
曲亭馬琴の作品が上演されました。

演目名は『開幕驚奇復讐譚』- かいまくきょうきあだうちものがたり
と読みます。



時代設定は室町初期、南北朝統一を果たした足利義満将軍及び体制派(悪)と
南朝方の遺臣たち(善)の復讐劇で、いわゆる勧善懲悪ではありますが
そこに、複雑な人間模様がからみ奥行きのある物語となっています。


しかし、何といっても本公演の最大の目玉のひとつは、《両宙乗り》で
客席の頭上、左右2カ所を、菊五郎、菊の助が飛び交うという驚きの演出!
国立劇場でも初めての試みだそうです。

菊五郎演じる、吉野の山にて仙術という特別な術を身に付けた九六媛-くろひめは
赤く目が光る白い狼にまたがり空を飛び、また、菊之助扮する姑魔姫-こまひめは
九六媛から仙術をゆずられ、前後に回転しながらアクロバットに空を飛ぶという、
迫力ある演出でした。

何でも、菊五郎氏は、この九六媛の準備の段階で、かのレディーガガを
参考にしたそうですが、たしかに時代を超越しSF的な感覚もありました。
白い狼の目がピカーンッと光り、その狼の頭を菊五郎が、クイックイッと
手綱のように動かしている姿は、思わず笑ってしまいました。

クライマックスは、姑魔姫による金閣屋根上の立廻りで、満開の桜の花が
咲き誇るなか、勢いのある立廻りがテンポ良く繰り広げられます。
舞台一杯に鮮やかな桜も拡がり、すっかり引き込まれました。

やはりここのところ、最も注目されている役者のひとり、菊之助は
スター性というか、実に華がありました。

それぞれの幕ごとに変化があり、長さを感じさせない素晴らしい
歌舞伎を観ることができ、大変に満足でした。






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改めて和のマナーを勉強。

初めて買った雑誌『日経おとなのOFF』
和のマナーについての特集です。


http://trendy.nikkeibp.co.jp/off/index.html


改めて読んでみると、知っているようで知らなかったり
また、思い込みで、誤って覚えていたこともあったりで
結構、参考になる内容でした。


冒頭の、阿川佐和子さんと、壇ふみさんの対談も面白く

「どこの国でも、自分の国の文化を大切にしている人たちって素敵」
「和の作法は、大切に扱うということがすべての基本で、ものに対しても
 人に対しても、敬意を払うことが大事」

などの、発言に大いに共感しながら読みました。


雑誌ならではか説明とともに、写真がたくさんあったので
非常にわかりやすかったです。

粋に振る舞うには、基本を知っておかないといけない、と改めて感じました。



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出掛けるのに気持ち良い季節です。

出掛ける直前に、慌ただしく撮ってもらった写真のため
あまりきちんと撮れませんでしたが、久しぶりに着物の写真です。



紬に角帯という組み合わせで、懇親会で酒席もあったので
ほどけにくい「片ばさみ」にしました。
別名「浪人結び」とも呼ばれる結びかたです。

今の季節は、暑すぎず寒すぎず、着物で出掛けるのにもとても気持ち良いですね。
更に首回りの小物などを、色々とプラスしていくのも楽しみです。




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無事、修了しました。

モノづくりから日本の伝統や文化、そして暮らしを学び愉しむ
ための講座『ニッポンブランド・マイスター』全8回を
無事、修了いたしました。

 

今回の講座は、スタート直前に、あの悪夢のような
東北大震災に見舞われ、1ヶ月遅れての開始でした。

元々、この講座の趣旨にも、日本の素晴らしさを国内外に
発信して行こうということが含まれていましたが、
あの震災以降、改めて日本の精神性の高さ、底力を知ることが
できたように思います。

まだまだ本当に日本という国が、元気を取り戻すには、長い時間が
かかると思います。

校長の赤瀬氏も話されていましたが、
「このNBM修了は、ここからがスタートだ、ここで学んだことを活かして
 それぞれがどんなことができるか、が重要だ。それを考えてほしい。」


自分も、今回学んだことを、心と頭にしっかり刻み、日常でできることから
少しずつ取り組んでいきたい、と考えています。


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日独交流150周年記念落語会

 ドイツ文化会館へ落語を観に行って来ました。

今回の落語会は、ドイツの大使館、ドイツ文化センター後援による

「日独交流150周年」のもと、ドイツと日本は、2010年の10月から2012年の3月にかけ
多彩な記念行事や要人訪問を通じて、150年に及ぶ交流の歴史を共に祝います。
 という趣旨の元、イベントのひとつとして行われました。



座席表のアルファベットには、ドイツの都市の名前が書かれていました。

かなり後ろの方の席、P列には「Paderborn」とありましたが
初めて聞きました。IT産業が盛んな都市で、世界最大のコンピューター博物館が
有名のようです。
会場には、普段の寄席ではあまり見られない客層で、やっぱりというか
ドイツ人らしき外国の方もチラホラ。



さておき、肝心の落語ですが、出演者は人気の柳家喬太郎一座です。

まずは、若手の二ツ目・柳家小太郎の噺「やかん」
客いじりの枕のあと、小気味良いテンポで元気な正統派。

続いて柳家歌奴、喬太郎から、何かドイツの噺をやってほしいと頼まれたが
そんな噺はなかったので、「都々逸(どどいつ)親子」
その経緯だけでも笑わせ、ちょっと抜けた親父と聡明な子供の
都々逸のやりとり、可笑しかったです。

そして、座長の喬太郎は、ドイツにちなんだオリジナル新作落語を披露。
「はっきり言って、日独150周年って言っても、興味ないんですよ」
などと言って、得意のブラックな笑いを誘います。
そんなことを言いながらも、ドイツ国旗の黄色の着物に黒い羽織、帯は赤という
いでたちで登場。サービス精神たっぷりです。

内容は、青梅に地ビールで町おこしをしようと、ドイツ企業の社長を接待する噺。
登場するキャラクターが「いるいる、こういう人!」という感じで
噺ももちろんのこと、芝居を観ているような面白さ、ちょっとホロリとするところも
あり、圧巻でした。

仲入り後は、紙切りの林屋二楽、「バウムクーヘン」「ローレライ」「ブランコ」
という3つのリクエストで紙を切り、お見事! なかでも「ローレライ」は
どんな風に表現するのか想像がつかなかったので、感動しました。

トリは、ふたたび喬太郎が登場。今度は黒の着物に黄色い羽織、と
着替えていて、笑わせてくれます。
噺は古典の「死神」ですが、なんでもドイツのグリム童話が原作らしく、
ちょっと怖くもあり、じっくりと聴き応えのある噺は、引き込まれました。

ここでも、喬太郎氏の人間描写は、素晴らしく、かなり後ろの方の席だったのですが
目の前で演じているかの錯覚におちいるほど。

公演全部で3時間半ほどの長丁場でしたが、あっという間でした。





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